2017年06月07日
屋久島2017③
~石塚山~
ヤクスギランドから太忠岳登山道を経て、石塚分かれに到着。

と、言ってもそれを示す標識などは一切ありませんでした。
2012年に、太忠岳に登った時には、小さいながらも「石塚分かれ」と書かれた道標がありました。
事前にネットで下調べした際にも、新しい道標が置かれているのを確認していたのですが…。
この日、辿り着いた石塚分かれには何の標識も無し。
念の為GPSで位置確認、間違いの無い事を確かめて、トラロープを跨ぎ、
いざ、石塚山方面へ。

トラロープから先すぐは、テープは無いのですが、

恐る恐る進んでみると、テープが現れます。
踏み跡は不明瞭な箇所が多いのですが、テープはしっかりと続いていて、
石塚山山頂までは、迷う事無く進めます。

道は花折岳東峰をトラバースするように、一旦下りに、

けっこう下ります。

たまに古いものと思われるテープもありました。
古いテープと新しいテープを混同して進んでしまい、軽く迷った、的な事例もネットに挙がっていたので、
古いテープが現れた時には注意して進みました。
そうして徐々に勾配が上がっていくのですが、



それにつれ、岩屋や倒木を潜り進む場面が多くなります。

やがて道は細くなり、大岩を巻く様に付けられた急登へと変わります

急登を登り詰めると、

また大岩。
この大岩をうんしょとよじ登ると…、

思わず「おおー」と声が漏れてしまう、

奥岳の稜線を見渡す、感動の大絶景が広がります。

パノラマ。クリック拡大

翁岳、宮之浦岳、永田岳、ネマチをズーム。

こちらは黒味岳、投石岳、安房岳。
ここが石塚山山頂、周囲の視界を遮るものは無く、まるで空の真ん中に躍り出た様な感覚。

振り返ると太忠岳の天柱石と花折岳の岩峰。
素晴らしい展望に大満足。
景色を眺めながらおにぎりをいっこ食べて、呑気にぼーっと至福の時を味わって、
さて…、
鏡岩と鳥居と祠、どうしよう…。
~鏡岩、鳥居、祠~
石塚山の事を、少しでも調べた事がある方なら、ご存知だと思うのですが、
石塚山の山頂付近には、自然に形成されたと思われる鳥居状の花崗岩の巨石があり、
その鳥居の写真などは、神聖な山、石塚山を象徴する写真として、ネット上で良く見にする事が出来ます。
さらにその鳥居の奥の森には、ご神体としての、鏡岩と言われる巨石が鎮座しているらしいのですが…。
もちろん自分も、石塚山へ登る目的の半分くらいは、それらを目の当たりにする事として、
ネット上で色んな情報を収集していたのですが、そのなかで、
「祠↑」の様に、祠までの道を示す看板が、石塚山への登山道中に設置されている事を確認出来ました。
看板があるなら楽勝、といざ臨み、山頂に立った結果、
石塚分かれから石塚山山頂に至るまでの道に、道標らしいものはひとつもありませんでした。
石塚分かれ、花折岳への分岐、そして祠に至る道への標、2017年5月現在、全て撤去されてしまっていました。
石塚山山頂の標識までも。
反面、石塚山山頂に至るまでの目印テープは数も多く道は明確で、
あたかも「山頂までは行ってもいいけど、祠とかは勘弁ね」と言わんばかりに、
作為的に、祠への案内を拒む意志の様なものを、感じざるを得ませんでした。
さて…、
鏡岩と鳥居と祠、どうしよう…。
確か石塚山山頂から鏡岩の姿は見える筈なのですが、パッと周囲を見渡す限り何も無し。
ですが、太忠岳方面の藪枝を払ってそこからにゅっと顔を突き出してみると、

見えました、鏡岩。
大きな迫力ある米粒状の岩、なるほどご神体としての存在感が感じられます。
鏡岩があそこにあるって事は鳥居はその右手の下った所辺り。位置関係は把握してた。
一旦、山頂の大岩を下りて右手へ巻いてみると、古いテープ一つは見つけたのでしたが、
道は続かず濃い藪が広がるばかり。
うーん、困った。
で、結局、この時点で鳥居へ向かう事は諦めました。
石塚山山域は登山者数の割りに遭難事故が多い様だし、万が一、遭難したら大変…。
(出典:屋久島町HP最近の遭難事故)
自分の技量、経験に自信も無いしなー。
遭難の危険に加えて、
祠への道標、テープが撤去されているって事は、
つまりは立ち入って欲しく無い訳で、そこにずかずかと足を踏み入れるのも良くないかな、
て言う思いも沸き立ちました。
そもそも宮之浦岳にも永田岳にも一品法寿大権現を祀る祠は存在するのですが、
もちろん「祠↑コッチ」の様な標識はありません。
山岳信仰において神聖に祀られている祠、
自分の様なスポーツ(レジャー?)登山で訪れている者が、
興味本位でホイホイと赴くものでは無いものかも、と。
なんか負け惜しみっぽいですが(笑)
鳥居は見る事が出来なくても、山頂からの素晴らしい眺めでお腹いっぱいになった訳だし。
天気が良かったからこの後、太忠岳へも登ってみようと思っていたのですが、
山頂に着いて暫くの後、それも止めました。
この、石塚山の体験だけで、今回の山行の思い出を占めた方が良いと思ったからです。
それくらい、石塚山の山頂は感動的な体験でした。
と、言う訳で、下山開始!
~エピローグ~
山頂から石塚分かれまでは、緊張感を切らす事無く、来た道を戻り、石塚分かれへ。
石塚分かれまで戻ってこれたらほっと一安心。
整備された太忠岳登山道をとぼとぼと下っていくと、
これから太忠岳に登る溌剌とした若者グループや外国人と多数すれ違う様に。
「(太忠岳の)山頂は良かったでしたかー?」
と掛けられる声に、
「(石塚山の)山頂、良かったですよー」
と、返す、ちぐはぐなやり取りに苦笑いしつつ、足を進めて行くと、アッと言う間にヤクスギランドに到着。
これまでの道よりも、一層、整備された順路を、出口へ向かい歩く。
「あー、終わってしまうなー」
今朝、6:30から登ってこの時点で12:30くらい。
たった6時間、濃密ではあって大満足だけど、もっと沢山歩いてもみたかったなー。
そうこうしているうちに、

ヤクスギランド出口に到着。
山行終了。
着替えて、車に乗り込み、ヤクスギランドを後に。
県道屋久島公園安房線を下っていくと、前岳の山腹が、新緑に染まっているのが目に入る。
力強いダイナミックな光景。
新緑の時期が終わればまた暑くなるんだろうなぁ、と去年の夏の屋久島を思い出し、
今年は夏は止めとこう、秋にまた来よう、などと考えを巡らせつつ、車を走らせ、下る。
17:00発のトッピーまでの時間は長く、少し時間を持て余すも、
まずは、楠川温泉へ向かって、湯に浸り、山行の汚れと疲れをリフレッシュ。
その後、レンタカーを返して、港へ向かう途中、屋久島環境文化村センターに立ち寄り、
何度見ても飽きない、屋久島の島内地図を眺め、時間を潰す。
出港時刻が近づくと港へ、乗船手続きを済ませ、帰路へ。
おわり。
ヤクスギランドから太忠岳登山道を経て、石塚分かれに到着。
と、言ってもそれを示す標識などは一切ありませんでした。
2012年に、太忠岳に登った時には、小さいながらも「石塚分かれ」と書かれた道標がありました。
事前にネットで下調べした際にも、新しい道標が置かれているのを確認していたのですが…。
この日、辿り着いた石塚分かれには何の標識も無し。
念の為GPSで位置確認、間違いの無い事を確かめて、トラロープを跨ぎ、
いざ、石塚山方面へ。
トラロープから先すぐは、テープは無いのですが、
恐る恐る進んでみると、テープが現れます。
踏み跡は不明瞭な箇所が多いのですが、テープはしっかりと続いていて、
石塚山山頂までは、迷う事無く進めます。
道は花折岳東峰をトラバースするように、一旦下りに、
けっこう下ります。
たまに古いものと思われるテープもありました。
古いテープと新しいテープを混同して進んでしまい、軽く迷った、的な事例もネットに挙がっていたので、
古いテープが現れた時には注意して進みました。
そうして徐々に勾配が上がっていくのですが、
それにつれ、岩屋や倒木を潜り進む場面が多くなります。
やがて道は細くなり、大岩を巻く様に付けられた急登へと変わります
急登を登り詰めると、
また大岩。
この大岩をうんしょとよじ登ると…、
思わず「おおー」と声が漏れてしまう、
奥岳の稜線を見渡す、感動の大絶景が広がります。
パノラマ。クリック拡大
翁岳、宮之浦岳、永田岳、ネマチをズーム。
こちらは黒味岳、投石岳、安房岳。
ここが石塚山山頂、周囲の視界を遮るものは無く、まるで空の真ん中に躍り出た様な感覚。
振り返ると太忠岳の天柱石と花折岳の岩峰。
素晴らしい展望に大満足。
景色を眺めながらおにぎりをいっこ食べて、呑気にぼーっと至福の時を味わって、
さて…、
鏡岩と鳥居と祠、どうしよう…。
~鏡岩、鳥居、祠~
石塚山の事を、少しでも調べた事がある方なら、ご存知だと思うのですが、
石塚山の山頂付近には、自然に形成されたと思われる鳥居状の花崗岩の巨石があり、
その鳥居の写真などは、神聖な山、石塚山を象徴する写真として、ネット上で良く見にする事が出来ます。
さらにその鳥居の奥の森には、ご神体としての、鏡岩と言われる巨石が鎮座しているらしいのですが…。
もちろん自分も、石塚山へ登る目的の半分くらいは、それらを目の当たりにする事として、
ネット上で色んな情報を収集していたのですが、そのなかで、
「祠↑」の様に、祠までの道を示す看板が、石塚山への登山道中に設置されている事を確認出来ました。
看板があるなら楽勝、といざ臨み、山頂に立った結果、
石塚分かれから石塚山山頂に至るまでの道に、道標らしいものはひとつもありませんでした。
石塚分かれ、花折岳への分岐、そして祠に至る道への標、2017年5月現在、全て撤去されてしまっていました。
石塚山山頂の標識までも。
反面、石塚山山頂に至るまでの目印テープは数も多く道は明確で、
あたかも「山頂までは行ってもいいけど、祠とかは勘弁ね」と言わんばかりに、
作為的に、祠への案内を拒む意志の様なものを、感じざるを得ませんでした。
さて…、
鏡岩と鳥居と祠、どうしよう…。
確か石塚山山頂から鏡岩の姿は見える筈なのですが、パッと周囲を見渡す限り何も無し。
ですが、太忠岳方面の藪枝を払ってそこからにゅっと顔を突き出してみると、
見えました、鏡岩。
大きな迫力ある米粒状の岩、なるほどご神体としての存在感が感じられます。
鏡岩があそこにあるって事は鳥居はその右手の下った所辺り。位置関係は把握してた。
一旦、山頂の大岩を下りて右手へ巻いてみると、古いテープ一つは見つけたのでしたが、
道は続かず濃い藪が広がるばかり。
うーん、困った。
で、結局、この時点で鳥居へ向かう事は諦めました。
石塚山山域は登山者数の割りに遭難事故が多い様だし、万が一、遭難したら大変…。
(出典:屋久島町HP最近の遭難事故)
自分の技量、経験に自信も無いしなー。
遭難の危険に加えて、
祠への道標、テープが撤去されているって事は、
つまりは立ち入って欲しく無い訳で、そこにずかずかと足を踏み入れるのも良くないかな、
て言う思いも沸き立ちました。
そもそも宮之浦岳にも永田岳にも一品法寿大権現を祀る祠は存在するのですが、
もちろん「祠↑コッチ」の様な標識はありません。
山岳信仰において神聖に祀られている祠、
自分の様なスポーツ(レジャー?)登山で訪れている者が、
興味本位でホイホイと赴くものでは無いものかも、と。
なんか負け惜しみっぽいですが(笑)
鳥居は見る事が出来なくても、山頂からの素晴らしい眺めでお腹いっぱいになった訳だし。
天気が良かったからこの後、太忠岳へも登ってみようと思っていたのですが、
山頂に着いて暫くの後、それも止めました。
この、石塚山の体験だけで、今回の山行の思い出を占めた方が良いと思ったからです。
それくらい、石塚山の山頂は感動的な体験でした。
と、言う訳で、下山開始!
~エピローグ~
山頂から石塚分かれまでは、緊張感を切らす事無く、来た道を戻り、石塚分かれへ。
石塚分かれまで戻ってこれたらほっと一安心。
整備された太忠岳登山道をとぼとぼと下っていくと、
これから太忠岳に登る溌剌とした若者グループや外国人と多数すれ違う様に。
「(太忠岳の)山頂は良かったでしたかー?」
と掛けられる声に、
「(石塚山の)山頂、良かったですよー」
と、返す、ちぐはぐなやり取りに苦笑いしつつ、足を進めて行くと、アッと言う間にヤクスギランドに到着。
これまでの道よりも、一層、整備された順路を、出口へ向かい歩く。
「あー、終わってしまうなー」
今朝、6:30から登ってこの時点で12:30くらい。
たった6時間、濃密ではあって大満足だけど、もっと沢山歩いてもみたかったなー。
そうこうしているうちに、
ヤクスギランド出口に到着。
山行終了。
着替えて、車に乗り込み、ヤクスギランドを後に。
県道屋久島公園安房線を下っていくと、前岳の山腹が、新緑に染まっているのが目に入る。
力強いダイナミックな光景。
新緑の時期が終わればまた暑くなるんだろうなぁ、と去年の夏の屋久島を思い出し、
今年は夏は止めとこう、秋にまた来よう、などと考えを巡らせつつ、車を走らせ、下る。
17:00発のトッピーまでの時間は長く、少し時間を持て余すも、
まずは、楠川温泉へ向かって、湯に浸り、山行の汚れと疲れをリフレッシュ。
その後、レンタカーを返して、港へ向かう途中、屋久島環境文化村センターに立ち寄り、
何度見ても飽きない、屋久島の島内地図を眺め、時間を潰す。
出港時刻が近づくと港へ、乗船手続きを済ませ、帰路へ。
おわり。