2017年11月29日
屋久島2017partⅡ③
~day3~
永田歩道を登り、永田岳登頂を諦め、鹿之沢でテント泊。
なかなか切ない2日目を終え、屋久島3日目の朝。
と、言っても起床が4:00くらいだったのでまだ真っ暗。
冷たくなった体を温めるべく、バーナーで湯を沸かし、
朝食を摂る。
地面はどこも湿っていて、撤収作業も一苦労。
ふと見ると、ヘッ電に照らされる木道がキラキラ光って仕方ない。
近づいてよく見てみると、うっすらと霜がおりてました。
テントにもうっすらと。
そりゃ寒い訳だ、完全に防寒装備を誤ってしまった。
撤収を終え、出発したのは5:40。
まだ暗い道を、ヘッ電の灯りを頼りに、下ります。

暗闇の沢を渡って、下るのは花山歩道。
去年ピストンしてるし、歩くのは3度目だ。
でも、暗いとこわーい、

そろりそろりとテープ伝いに進みます。
少しずつ明るくなる道を進んでいると、
背後から悪い予感?がして、振り返ってみると…、

やっぱり、
陽が昇りかけ、明るくなってくる東の空。
今、永田岳に登ってたら、最高の朝陽を浴びる事が出来ただろうに…。
でも、スケジュールがあるので朝の登頂は予定から除外。
先日から引き続き、何かと間が悪い今回の山行。
恨めし気にちらっちらと、来た道を振り返りつつ、進みます。

逆光だなー。

うっすらと夜が明けてきて、花山歩道の深い森に入ると、

生い茂る木々に陽が透けて、なんとも気持ちの良い道。
ハリギリの大木も、強い光に影が横切って、

腕の無い人が撮影するとこんなです。

晴れで気持ちは良いのですが、
気分は基本的に「帰ろー帰ろー」モード。
足早に駆け下ります。
花山歩道って、下りで使うとき何度かテープが続かなくて、
うろうろ探す場面に遭遇します。今回も数回。
それでも順調に足を進めて、もう少しでカスミ谷展望かなー、って時、
進行方向の先から「ワン!ワン!」て力強い犬の鳴き声が!
「へー」て一瞬スルーしそうになったのですが、いや、待てよ、
野犬だー!
気付いた時は恐ろしかったです、襲われるんじゃーないかと。
どうやら追っては来ていない様なので、その場にジッと待ち、
暫く経ってからまた下り進むと…、
また「ワン!ワン!」
ひえー。
でも追っては来ない、姿も見えない。
やっべーなー、と思いつつまた立ち止まり、
きっと猟師さんが連れてた犬が迷い込んだのだろう、と勝手に判断。
人に飼われてたなら、襲ってくる事も無いかな。
意を決して、また進んでみる事に。
すると今度は何も聞こえず、普通に足を進める事が出来て一安心。
なんだったんだろ。
犬であんだけ怖いんだから、熊とかゴリラとかめっちゃ怖いだろうなー。

で、カスミ谷展望台到着。
時刻は9:11。
このとき密かに企んでいたのが、
予定では、13:44栗生橋発のバスに乗って、
そのまま宮之浦港に滑り込んで、
15:40発のトッピーに乗り込む予定だったのですが、
どうもペースが順調で、若干早いペースで下っている模様。
ならばバスを1本早めて
12:44栗生橋発に乗れれば、楠川温泉で途中下車して、
温泉に入れる!てプラン。
さー急ごうー!て勢いよく下るのですが、
カスミ谷展望台から下は、なかなか大変でした。
先の台風連発の影響で、真新しい倒木がごろっごろ。
ルートを防ぎ、なかなか歩みが進みません。
下り切る頃にはなかなかの疲労困憊状態。
で、10:17。

花山歩道入り口に到着。
まだ続きます。
5.6km続く大川林道をてくてく、県道目指して歩きます。

昼下がりの大川林道はなかなかのお猿さん地帯。
去年は軽く威嚇されましたが、今年も多数お見受けしました。
威嚇されなくてよかったー。
で、急ぎ気味で歩くのですが、やっぱり長い大川林道。

やっとこさ県道78号線に出合います、
時刻は11:25。
あとは栗生橋まで県道を歩くのみ。
着替えて靴を履き替えて黙々と県道を歩き倒し、
12:13、栗生川が見えて、

ゴール。
無事にバスも1本早める事が出来た、最後にご褒美だ。
なんて思いつつ、ジュース買って栗生川の堤防に下りようとしてたら…、
「ニャーニャー」て声が聞こえてきて、
鳴き声のする方に目をやると、

ちびにゃんこさん発見。
こちらも「ニャーニャー」喋り返してたら、
そのままずっと後を付いてきました。
仕舞には、ニャーニャー言いながら、
腰を下ろした僕の体によじ登ってきます。
とっても人懐っこいちびにゃんこさんでした。
ずっと遊んでたかった(むしろ持って帰りたかった)のですが、
バスの時間も近づき、さ~てどーしよっかなー、と思って辺りを見渡すも、
お母さん猫も飼い主さんも見当たらず、
仕方なく、栗生川堤防に併設されている民宿ぽんかんさんのドアを叩いてみると、
出てきた奥さんのねこちゃんでした、良かった良かった。
一番のご褒美はこのひと時でした。
で、やって来たバスに乗り込み、
よく喋る面白い運転手さんとの会話を楽しみつつ、楠川温泉へ。
下山後の温泉はやっぱり格別で、
綺麗な体で帰路に就く事が出来ました。
バスを待つ最中、奥さんとお世話になった宿へ電話。
無事に下山した旨を伝えたかったのですが、
お宿の方はお忙しかったようで、繋がらず、
奥さんには無事報告。
再び、バスに乗り込み、ほどなく宮之浦港へ。
屋久島をあとに。
色々ありましたが、山行としてはなかなかしょっぱいものとなりました今回。
次回、屋久島に行くとしたら、また同じ道で永田岳を目指そうと思います。
~エピローグ~
鹿児島に帰って翌日、民宿ながた岳から電話が。
宿の奥様からで、無事に下山できたかのご確認を入れて下さいました。
無事を報告できて、良かった。
おわり。
永田歩道を登り、永田岳登頂を諦め、鹿之沢でテント泊。
なかなか切ない2日目を終え、屋久島3日目の朝。
と、言っても起床が4:00くらいだったのでまだ真っ暗。
冷たくなった体を温めるべく、バーナーで湯を沸かし、
朝食を摂る。
地面はどこも湿っていて、撤収作業も一苦労。
ふと見ると、ヘッ電に照らされる木道がキラキラ光って仕方ない。
近づいてよく見てみると、うっすらと霜がおりてました。
テントにもうっすらと。
そりゃ寒い訳だ、完全に防寒装備を誤ってしまった。
撤収を終え、出発したのは5:40。
まだ暗い道を、ヘッ電の灯りを頼りに、下ります。
暗闇の沢を渡って、下るのは花山歩道。
去年ピストンしてるし、歩くのは3度目だ。
でも、暗いとこわーい、
そろりそろりとテープ伝いに進みます。
少しずつ明るくなる道を進んでいると、
背後から悪い予感?がして、振り返ってみると…、
やっぱり、
陽が昇りかけ、明るくなってくる東の空。
今、永田岳に登ってたら、最高の朝陽を浴びる事が出来ただろうに…。
でも、スケジュールがあるので朝の登頂は予定から除外。
先日から引き続き、何かと間が悪い今回の山行。
恨めし気にちらっちらと、来た道を振り返りつつ、進みます。
逆光だなー。
うっすらと夜が明けてきて、花山歩道の深い森に入ると、
生い茂る木々に陽が透けて、なんとも気持ちの良い道。
ハリギリの大木も、強い光に影が横切って、
腕の無い人が撮影するとこんなです。
晴れで気持ちは良いのですが、
気分は基本的に「帰ろー帰ろー」モード。
足早に駆け下ります。
花山歩道って、下りで使うとき何度かテープが続かなくて、
うろうろ探す場面に遭遇します。今回も数回。
それでも順調に足を進めて、もう少しでカスミ谷展望かなー、って時、
進行方向の先から「ワン!ワン!」て力強い犬の鳴き声が!
「へー」て一瞬スルーしそうになったのですが、いや、待てよ、
野犬だー!
気付いた時は恐ろしかったです、襲われるんじゃーないかと。
どうやら追っては来ていない様なので、その場にジッと待ち、
暫く経ってからまた下り進むと…、
また「ワン!ワン!」
ひえー。
でも追っては来ない、姿も見えない。
やっべーなー、と思いつつまた立ち止まり、
きっと猟師さんが連れてた犬が迷い込んだのだろう、と勝手に判断。
人に飼われてたなら、襲ってくる事も無いかな。
意を決して、また進んでみる事に。
すると今度は何も聞こえず、普通に足を進める事が出来て一安心。
なんだったんだろ。
犬であんだけ怖いんだから、熊とかゴリラとかめっちゃ怖いだろうなー。
で、カスミ谷展望台到着。
時刻は9:11。
このとき密かに企んでいたのが、
予定では、13:44栗生橋発のバスに乗って、
そのまま宮之浦港に滑り込んで、
15:40発のトッピーに乗り込む予定だったのですが、
どうもペースが順調で、若干早いペースで下っている模様。
ならばバスを1本早めて
12:44栗生橋発に乗れれば、楠川温泉で途中下車して、
温泉に入れる!てプラン。
さー急ごうー!て勢いよく下るのですが、
カスミ谷展望台から下は、なかなか大変でした。
先の台風連発の影響で、真新しい倒木がごろっごろ。
ルートを防ぎ、なかなか歩みが進みません。
下り切る頃にはなかなかの疲労困憊状態。
で、10:17。
花山歩道入り口に到着。
まだ続きます。
5.6km続く大川林道をてくてく、県道目指して歩きます。
昼下がりの大川林道はなかなかのお猿さん地帯。
去年は軽く威嚇されましたが、今年も多数お見受けしました。
威嚇されなくてよかったー。
で、急ぎ気味で歩くのですが、やっぱり長い大川林道。
やっとこさ県道78号線に出合います、
時刻は11:25。
あとは栗生橋まで県道を歩くのみ。
着替えて靴を履き替えて黙々と県道を歩き倒し、
12:13、栗生川が見えて、
ゴール。
無事にバスも1本早める事が出来た、最後にご褒美だ。
なんて思いつつ、ジュース買って栗生川の堤防に下りようとしてたら…、
「ニャーニャー」て声が聞こえてきて、
鳴き声のする方に目をやると、
ちびにゃんこさん発見。
こちらも「ニャーニャー」喋り返してたら、
そのままずっと後を付いてきました。
仕舞には、ニャーニャー言いながら、
腰を下ろした僕の体によじ登ってきます。
とっても人懐っこいちびにゃんこさんでした。
ずっと遊んでたかった(むしろ持って帰りたかった)のですが、
バスの時間も近づき、さ~てどーしよっかなー、と思って辺りを見渡すも、
お母さん猫も飼い主さんも見当たらず、
仕方なく、栗生川堤防に併設されている民宿ぽんかんさんのドアを叩いてみると、
出てきた奥さんのねこちゃんでした、良かった良かった。
一番のご褒美はこのひと時でした。
で、やって来たバスに乗り込み、
よく喋る面白い運転手さんとの会話を楽しみつつ、楠川温泉へ。
下山後の温泉はやっぱり格別で、
綺麗な体で帰路に就く事が出来ました。
バスを待つ最中、奥さんとお世話になった宿へ電話。
無事に下山した旨を伝えたかったのですが、
お宿の方はお忙しかったようで、繋がらず、
奥さんには無事報告。
再び、バスに乗り込み、ほどなく宮之浦港へ。
屋久島をあとに。
色々ありましたが、山行としてはなかなかしょっぱいものとなりました今回。
次回、屋久島に行くとしたら、また同じ道で永田岳を目指そうと思います。
~エピローグ~
鹿児島に帰って翌日、民宿ながた岳から電話が。
宿の奥様からで、無事に下山できたかのご確認を入れて下さいました。
無事を報告できて、良かった。
おわり。
2017年11月22日
屋久島2017partⅡ②
~day2~
なんとも妙ちくりんな1日目を終え、屋久島2日目。
早朝、3:30のアラームで起きる。
雨音は聞こえない。
天候は回復に向かい、陽が昇る頃には青空が広がってるはず。
期待に胸を膨らませつつ支度を進めていると、
激しい雨音が窓を叩く。
そしてすぐ止む。
時間ごとの天気予報は8時から快晴との事。
なんだかよく分かんないんで、レインウェアとザックカバーは装着のまま、
宿を出発する事に。
5:30、宿を出ようと階下へ下りると、ご主人が待っていました。
登山届への記入を、との事。
書き終えると、お弁当にしてくれた朝食を渡してくれました。
「おにぎり多めにしておきました」
心遣いがありがたかったです。
ご主人曰く、「午後には晴れるかな」との事。
宿を出発。

まだ暗い永田橋を渡り、5月に下見した道を、

ヘッ電点けて歩きます。
モチダ2号橋を渡り、少し行くと見えてきました。

6:39 永田歩道入り口。

まだ薄暗く、ヘッ電の明かりは点けたまま、杉の植林地を進みます。
永田歩道の標高グラフを見ると一目瞭然なのですが、
この永田歩道の最大の特徴とも言えるのが、
歩道入り口、標高約100mから、
標高約1200m、岳の辻まで一気に登らされる、序盤のきつさ。
これが永田歩道を長大かつ過酷と言わしめる大きな要因と思われます。
歩道入り口から、永田岳山頂までのコースタイムの半分を、
この、岳の辻までの登りが占めています(5時間半)。

まずは目指すは岳の辻、
そしてそこに着く頃にはこの薄暗い道も、
明るい日差しで溢れている事だろう。
天気予報も晴れると言ってるし、
宿のご主人も午後には晴れると言ってる、
ですが、何故か天候への不安が打ち消されない今、
強めに明るい数時間後の未来を思い描くしか術がありません。
とにかく、薄暗いのも、このしとしととした雨も、もうイヤ。

半ばパニックじゃありませんが、晴れ間が見えないひたすら我慢の急登が続きます。
お天道様が先か、岳の辻が先か。
そうして、ガスに烟った登りの先に現れた、

岳の辻。
時刻は10:30。
コースタイムは5時間半、4時間弱で到着。
誰もが参考にするコースタイムなら、
この道のりは5時間半と書いてもおかしくないかな。
そんな事より、10:30なのに晴れない…。
午前中は絶望的かなー、な思いが広がります。

歩き進むにつれガスは濃くなり、おまけに強風まで吹き付けてきます。
雨が降ってるのか、木枝の雨滴が落ちてるのか分からないけど、
とにかくずぶ濡れ。
手掛かりにする木も岩も濡れているので、グローブもびしょびしょ、
手が冷たい。

姥ケ岩屋を過ぎても天候は回復せず。

完全に諦めました。

左巻き大桧に一瞥を投げ、なんとも落胆な気持ちで進みます。
そー言えば七本杉もどっかで見たよーな気が。
晴れていれば素敵な景色なんだろーなー。
ここは…、

桃平より前だったっけ?後だったっけ?
ガスが効果的な演出をしてて、今回数少ない「わー素敵」てなった場所。
僕の写真じゃ全然だなー(汗)
尾根の北側に出ると風が強く冷たく、体を冷やします。
暗い冷たい道のりを進んでいくと、

渡渉。
いっこ目の渡渉箇所を通過したって事は、七ツ渡シも近いかな、
そろそろ終盤だなー、晴れなかったなー。
この時点で永田岳への登頂もすっかり諦めてました。
だって寒いし、山頂の辺りは風びゅーびゅーだろうし、
もうこれ以上寒いところ行きたくないし、
ガスが出てたら去年の二の舞は目に見えてるし、
なにより疲れたんだ、色んな意味で。

七ツ渡シ到着。
幻想的でとても綺麗、上流は平らな岩床で、まるで水が流れてないかの様。
渡渉も問題なく出来、あとは鹿之沢小屋目指すのみ。
永田集落の嶽参りは中止になったし、
前日の天候だと永田岳側から下って来る人もいなそうだし、
貸し切りかなー、と期待を膨らませ歩き、

木道が現れると鹿之沢小屋が近い証。
そうして、辿り着いた鹿之沢小屋は貸し切りとはいかずでした。
そこには、溌剌とした若者グループ3人がいらっしゃって、
二、三言葉を交わしたのですが、
なにかの調査で滞在しているようでした。
優しい青年達で「まだ空いてますよー」と同宿を勧められましたが、
なにか独りになりたくて、花山歩道側へ沢を越えたテン場でテント泊。

テント変えました。
テントに潜り込んだのが14:30。
想定より1時間ほど早い、7時間ちょいの道のりでした。
テントに入ったらまずゴハン。
行動食をちょっと食べたくらいで、お宿のお弁当すら口を付けてなかった。

どーん。
お宿のお弁当、すごく美味しかったです。
これにまるちゃんの赤いきつね。
三岳のお湯割り。
いよいよ寒くなったので、温かいものが染みてありがたい。
食べるもの食べて、16:00過ぎ、テントから顔を出してみると、

写真じゃ分かり難いですが、
ちょっと晴れてるじゃない…。
整列した雲々の狭間に垣間見える青いそら、
それらがゆっくりと流れてく。
山頂はきっと気持ち良い筈。
このタイミングで着いていたら、登ってたかな、登れたかもな。
今はお酒も飲んでるし、これからGO!は無いわ。
途方も無い、遣り切れなさと言うかなんと言うか、
切なさに包まれた瞬間でした。
あとは、ぼーっとして18:30には寝ました。
テン場には、沢からの冷気が冷たく流れ込んできて、
寝袋はモンベルの#3を持って行ったのですが、全然スペック不足で、
頭から寝袋に突っ込んでないと、寒さで眠れませんでした。
つづく。
なんとも妙ちくりんな1日目を終え、屋久島2日目。
早朝、3:30のアラームで起きる。
雨音は聞こえない。
天候は回復に向かい、陽が昇る頃には青空が広がってるはず。
期待に胸を膨らませつつ支度を進めていると、
激しい雨音が窓を叩く。
そしてすぐ止む。
時間ごとの天気予報は8時から快晴との事。
なんだかよく分かんないんで、レインウェアとザックカバーは装着のまま、
宿を出発する事に。
5:30、宿を出ようと階下へ下りると、ご主人が待っていました。
登山届への記入を、との事。
書き終えると、お弁当にしてくれた朝食を渡してくれました。
「おにぎり多めにしておきました」
心遣いがありがたかったです。
ご主人曰く、「午後には晴れるかな」との事。
宿を出発。
まだ暗い永田橋を渡り、5月に下見した道を、
ヘッ電点けて歩きます。
モチダ2号橋を渡り、少し行くと見えてきました。
6:39 永田歩道入り口。
まだ薄暗く、ヘッ電の明かりは点けたまま、杉の植林地を進みます。
永田歩道の標高グラフを見ると一目瞭然なのですが、
この永田歩道の最大の特徴とも言えるのが、
歩道入り口、標高約100mから、
標高約1200m、岳の辻まで一気に登らされる、序盤のきつさ。
これが永田歩道を長大かつ過酷と言わしめる大きな要因と思われます。
歩道入り口から、永田岳山頂までのコースタイムの半分を、
この、岳の辻までの登りが占めています(5時間半)。
まずは目指すは岳の辻、
そしてそこに着く頃にはこの薄暗い道も、
明るい日差しで溢れている事だろう。
天気予報も晴れると言ってるし、
宿のご主人も午後には晴れると言ってる、
ですが、何故か天候への不安が打ち消されない今、
強めに明るい数時間後の未来を思い描くしか術がありません。
とにかく、薄暗いのも、このしとしととした雨も、もうイヤ。
半ばパニックじゃありませんが、晴れ間が見えないひたすら我慢の急登が続きます。
お天道様が先か、岳の辻が先か。
そうして、ガスに烟った登りの先に現れた、
岳の辻。
時刻は10:30。
コースタイムは5時間半、4時間弱で到着。
誰もが参考にするコースタイムなら、
この道のりは5時間半と書いてもおかしくないかな。
そんな事より、10:30なのに晴れない…。
午前中は絶望的かなー、な思いが広がります。
歩き進むにつれガスは濃くなり、おまけに強風まで吹き付けてきます。
雨が降ってるのか、木枝の雨滴が落ちてるのか分からないけど、
とにかくずぶ濡れ。
手掛かりにする木も岩も濡れているので、グローブもびしょびしょ、
手が冷たい。
姥ケ岩屋を過ぎても天候は回復せず。
完全に諦めました。
左巻き大桧に一瞥を投げ、なんとも落胆な気持ちで進みます。
そー言えば七本杉もどっかで見たよーな気が。
晴れていれば素敵な景色なんだろーなー。
ここは…、
桃平より前だったっけ?後だったっけ?
ガスが効果的な演出をしてて、今回数少ない「わー素敵」てなった場所。
僕の写真じゃ全然だなー(汗)
尾根の北側に出ると風が強く冷たく、体を冷やします。
暗い冷たい道のりを進んでいくと、
渡渉。
いっこ目の渡渉箇所を通過したって事は、七ツ渡シも近いかな、
そろそろ終盤だなー、晴れなかったなー。
この時点で永田岳への登頂もすっかり諦めてました。
だって寒いし、山頂の辺りは風びゅーびゅーだろうし、
もうこれ以上寒いところ行きたくないし、
ガスが出てたら去年の二の舞は目に見えてるし、
なにより疲れたんだ、色んな意味で。
七ツ渡シ到着。
幻想的でとても綺麗、上流は平らな岩床で、まるで水が流れてないかの様。
渡渉も問題なく出来、あとは鹿之沢小屋目指すのみ。
永田集落の嶽参りは中止になったし、
前日の天候だと永田岳側から下って来る人もいなそうだし、
貸し切りかなー、と期待を膨らませ歩き、
木道が現れると鹿之沢小屋が近い証。
そうして、辿り着いた鹿之沢小屋は貸し切りとはいかずでした。
そこには、溌剌とした若者グループ3人がいらっしゃって、
二、三言葉を交わしたのですが、
なにかの調査で滞在しているようでした。
優しい青年達で「まだ空いてますよー」と同宿を勧められましたが、
なにか独りになりたくて、花山歩道側へ沢を越えたテン場でテント泊。
テント変えました。
テントに潜り込んだのが14:30。
想定より1時間ほど早い、7時間ちょいの道のりでした。
テントに入ったらまずゴハン。
行動食をちょっと食べたくらいで、お宿のお弁当すら口を付けてなかった。
どーん。
お宿のお弁当、すごく美味しかったです。
これにまるちゃんの赤いきつね。
三岳のお湯割り。
いよいよ寒くなったので、温かいものが染みてありがたい。
食べるもの食べて、16:00過ぎ、テントから顔を出してみると、
写真じゃ分かり難いですが、
ちょっと晴れてるじゃない…。
整列した雲々の狭間に垣間見える青いそら、
それらがゆっくりと流れてく。
山頂はきっと気持ち良い筈。
このタイミングで着いていたら、登ってたかな、登れたかもな。
今はお酒も飲んでるし、これからGO!は無いわ。
途方も無い、遣り切れなさと言うかなんと言うか、
切なさに包まれた瞬間でした。
あとは、ぼーっとして18:30には寝ました。
テン場には、沢からの冷気が冷たく流れ込んできて、
寝袋はモンベルの#3を持って行ったのですが、全然スペック不足で、
頭から寝袋に突っ込んでないと、寒さで眠れませんでした。
つづく。
2017年11月19日
屋久島2017partⅡ①
また、屋久島へ行ってきました。
今回歩くのは永田歩道を登りで。
永田歩道を登るならもちろん永田岳の山頂も踏んで、鹿之沢で一泊。
翌日、花山歩道から下る、何気に0to0なプランにしてみました。
休日やトッピーの予約状況などから、最終的に下記の計画に。
1日目(11/3):永田のお宿にて前泊。
2日目(11/4):永田歩道~永田岳~鹿之沢小屋泊。
3日目(11/5):花山歩道~栗生橋バス停(13:44発)~宮之浦港(15:40発)
~day1~
自宅出発は遅め、最寄駅を10時前に出発。
12時に鹿児島本港発のトッピーに乗り込み、13:50、宮之浦港到着。

天候は雨。
ここからが長くて、15:40発の、永田へ向かうバスの到着を待つ。
トッピー乗り場のベンチに座り、時間を潰し果てた頃、バスが到着。
早速バスに乗り込んだところに、運転手さんから衝撃の一言。
「お客さん、どちらまで行かれますか?」
「先日の土砂崩れの影響で永田までは行けませんが?」
え?聞いてないよ?
まー調べてないといけないのだけど、まさかって感じでした。
永田より、なんこか前のバス停、一湊までは行けるって事らしいけど、
そこから歩くのも無理な感じだし、一旦バスを降りる事に。
キャンセルかなー?と思いつつも事の顛末を宿の奥様に連絡。
すると、一湊まで乗ってきて下さい、そこまで迎えにいきます。
との事。
しまった、バス降りなきゃ良かった…。
えーと、次のバスは、と…。
なんと18:12(最終便)、また待つのかー。
バスを待って乗って、宿へ遅い到着をする覚悟をしましたが、
「タクシーを呼ぶ」と言う選択肢を忘れていました。
思い立ってすぐにタクシーを呼び、タクシーで一湊まで。
車中でその旨をお宿に告げ、

雨が降るなか、布引きの滝公園で、お迎えを待ちます。
なんだかとっても疲れて心細い気分。
10分後、お宿のご主人の運転する車に拾われ、やっと一安心。
大型車が通れない迂回路を走らせる車中、ご主人から、
明日は、永田集落の嶽参りだと言う事を聞きました。
同じ道を登るはずだから、それは心強い、
でも鹿之沢小屋は満杯ですかねー?なんて会話しつつ、
お宿にご到着、民宿ながた岳。

荷物を下してお風呂に入ってゆっくりしていると、
町内放送のご連絡が聞こえてきました。
内容は、明日の嶽参りは雨の為、中止になりました。
って事。
え!?
今夜は雨だけど明日は晴れの天気予報だったのでびっくり。
天気予報を超越した、島の人々の経験からの判断か…、
文字通り、明日の雲行きが不安になりました。
そんな心配をよそに、

呼ばれたご飯が美味しくて沢山で、大満足。
三岳も頂きました。
部屋にもどっても外は雨。
明日の天気への不安と、天気予報は未だ晴れ、
と言う期待が入り乱れた気持ちで、20:30には就寝。
移動だけなのに妙に疲れた一日でした。
つづく。
今回歩くのは永田歩道を登りで。
永田歩道を登るならもちろん永田岳の山頂も踏んで、鹿之沢で一泊。
翌日、花山歩道から下る、何気に0to0なプランにしてみました。
休日やトッピーの予約状況などから、最終的に下記の計画に。
1日目(11/3):永田のお宿にて前泊。
2日目(11/4):永田歩道~永田岳~鹿之沢小屋泊。
3日目(11/5):花山歩道~栗生橋バス停(13:44発)~宮之浦港(15:40発)
~day1~
自宅出発は遅め、最寄駅を10時前に出発。
12時に鹿児島本港発のトッピーに乗り込み、13:50、宮之浦港到着。
天候は雨。
ここからが長くて、15:40発の、永田へ向かうバスの到着を待つ。
トッピー乗り場のベンチに座り、時間を潰し果てた頃、バスが到着。
早速バスに乗り込んだところに、運転手さんから衝撃の一言。
「お客さん、どちらまで行かれますか?」
「先日の土砂崩れの影響で永田までは行けませんが?」
え?聞いてないよ?
まー調べてないといけないのだけど、まさかって感じでした。
永田より、なんこか前のバス停、一湊までは行けるって事らしいけど、
そこから歩くのも無理な感じだし、一旦バスを降りる事に。
キャンセルかなー?と思いつつも事の顛末を宿の奥様に連絡。
すると、一湊まで乗ってきて下さい、そこまで迎えにいきます。
との事。
しまった、バス降りなきゃ良かった…。
えーと、次のバスは、と…。
なんと18:12(最終便)、また待つのかー。
バスを待って乗って、宿へ遅い到着をする覚悟をしましたが、
「タクシーを呼ぶ」と言う選択肢を忘れていました。
思い立ってすぐにタクシーを呼び、タクシーで一湊まで。
車中でその旨をお宿に告げ、
雨が降るなか、布引きの滝公園で、お迎えを待ちます。
なんだかとっても疲れて心細い気分。
10分後、お宿のご主人の運転する車に拾われ、やっと一安心。
大型車が通れない迂回路を走らせる車中、ご主人から、
明日は、永田集落の嶽参りだと言う事を聞きました。
同じ道を登るはずだから、それは心強い、
でも鹿之沢小屋は満杯ですかねー?なんて会話しつつ、
お宿にご到着、民宿ながた岳。
荷物を下してお風呂に入ってゆっくりしていると、
町内放送のご連絡が聞こえてきました。
内容は、明日の嶽参りは雨の為、中止になりました。
って事。
え!?
今夜は雨だけど明日は晴れの天気予報だったのでびっくり。
天気予報を超越した、島の人々の経験からの判断か…、
文字通り、明日の雲行きが不安になりました。
そんな心配をよそに、
呼ばれたご飯が美味しくて沢山で、大満足。
三岳も頂きました。
部屋にもどっても外は雨。
明日の天気への不安と、天気予報は未だ晴れ、
と言う期待が入り乱れた気持ちで、20:30には就寝。
移動だけなのに妙に疲れた一日でした。
つづく。
2017年11月14日
小篦柄岳
先月、10月27日、小篦柄岳に登ってきました。
小篦柄岳をメインに登る人って少ないと思うのですが、
去年の御岳-大篦柄岳縦走でサボって登り損ねてたので、今回は小篦柄岳ピークハントが目的。
奥さんと登ってきました。
高峠を大隅湖方面へ向かい、途中の目印看板で右折、
垂桜集落より大野原林道へIN、くねくね林道を登り詰め、登山口到着。

登山口到着、と言ってもここは大篦柄岳登山口。
ここから大篦柄岳を登り、御岳方面へと続く縦走路へ。
大篦柄岳山頂とスマン峠との間にある小篦柄岳分岐より小篦柄岳ピークを踏み、
縦走路に戻りスマン峠へ、スマン峠登山口へ下り大野原林道を周回し、大篦柄岳登山口へ。
てのが今回のコース。
09:00、登りはじめます。
前日までは一日中晴れだった予報が、当日になって崩れ、天気が心配。
なだらかに続く九州自然歩道を気持ち良く進んでいると、

以前、登ったときは無かった(はず)崩落地に出合いました。
だいぶ崩れてました、いつ崩れたんだろー。
5合目の展望が開ける箇所、お天気はまだ快晴。

七岳、その向こうに桜島。
七岳、気になるなー、いつか登ってみようかなー。

縦走路方面、妻岳が相変わらずとんがってます。
大篦柄岳、御岳方面にうっすらと暗い雲。
と、言う訳で5合目越えたあたりから天候が崩れはじめ、

山頂目前、スズ竹をかき分け辿り着いた山頂は、

ガスで真っ白、展望なし。
大篦柄岳山頂はこれまで4度踏んでいるのですが、内訳は、
晴れ1 ガス2 灰1 です。
カップラの水を持って来るの忘れたので、おにぎりを妻と分け合い食べます。
寒さ、ひもじさにもめげず、

今回の目標である小篦柄岳ピークを目指し先へ。
山頂から縦走路方面への道も暫くスズ竹ロードが続きますが、

それを抜ければ、下り基調のなだらかな道。
大篦柄岳山頂から30分ほどで、

目指す、小篦柄岳山頂への分岐に到着。
道標に従い縦走路を外れ、小篦柄岳ピークへ向かいます。
向かったのですが、この道がまー大変で。
ど急登と密生したスズ竹の藪漕ぎが続きます。
道はしっかりとついているのですが、背の高いスズ竹がそれを覆っています。
なので、しゃがんでみると進む道がよく分かりました。

もさもさの急登を進むこと10分ちょい、

ありました小篦柄岳山頂。
事前に調べて知ってましたが、展望等はなにも無く、ただの藪に囲まれたところです。
でも、何故かとっても達成感。うれしー。
ピークハントを終え、縦走路に戻りスマン峠へ。

ほどなく到着、ここから下ります。

下ってるのだから下りなのですが、下り具合がえらい下りでした。

最後だけ何故か整備された優し気な木段。
登りに使った人は驚くだろーなー、途中から「なんだこりゃー」って

無事に下山を果たし、ここから高隈山名物、林道歩きが始まります。

今回は、ここスマン峠登山口から大篦柄岳垂桜登山口へと続く大野原林道。
距離にして5kmくらいかなー。

途中、土石流による流木ダイナマイトな箇所が、道を塞ぎます。
しかも何か所かあります、こう言う箇所が。
脇っちょをなんとか通り抜ける事が出来、無事に垂桜登山口へと戻ったのは14時過ぎ。
あの流木箇所はほんとビビります。
5時間ちょっとのおもしろコースでした。
小篦柄岳をメインに登る人って少ないと思うのですが、
去年の御岳-大篦柄岳縦走でサボって登り損ねてたので、今回は小篦柄岳ピークハントが目的。
奥さんと登ってきました。
高峠を大隅湖方面へ向かい、途中の目印看板で右折、
垂桜集落より大野原林道へIN、くねくね林道を登り詰め、登山口到着。
登山口到着、と言ってもここは大篦柄岳登山口。
ここから大篦柄岳を登り、御岳方面へと続く縦走路へ。
大篦柄岳山頂とスマン峠との間にある小篦柄岳分岐より小篦柄岳ピークを踏み、
縦走路に戻りスマン峠へ、スマン峠登山口へ下り大野原林道を周回し、大篦柄岳登山口へ。
てのが今回のコース。
09:00、登りはじめます。
前日までは一日中晴れだった予報が、当日になって崩れ、天気が心配。
なだらかに続く九州自然歩道を気持ち良く進んでいると、
以前、登ったときは無かった(はず)崩落地に出合いました。
だいぶ崩れてました、いつ崩れたんだろー。
5合目の展望が開ける箇所、お天気はまだ快晴。
七岳、その向こうに桜島。
七岳、気になるなー、いつか登ってみようかなー。
縦走路方面、妻岳が相変わらずとんがってます。
大篦柄岳、御岳方面にうっすらと暗い雲。
と、言う訳で5合目越えたあたりから天候が崩れはじめ、
山頂目前、スズ竹をかき分け辿り着いた山頂は、
ガスで真っ白、展望なし。
大篦柄岳山頂はこれまで4度踏んでいるのですが、内訳は、
晴れ1 ガス2 灰1 です。
カップラの水を持って来るの忘れたので、おにぎりを妻と分け合い食べます。
寒さ、ひもじさにもめげず、
今回の目標である小篦柄岳ピークを目指し先へ。
山頂から縦走路方面への道も暫くスズ竹ロードが続きますが、
それを抜ければ、下り基調のなだらかな道。
大篦柄岳山頂から30分ほどで、
目指す、小篦柄岳山頂への分岐に到着。
道標に従い縦走路を外れ、小篦柄岳ピークへ向かいます。
向かったのですが、この道がまー大変で。
ど急登と密生したスズ竹の藪漕ぎが続きます。
道はしっかりとついているのですが、背の高いスズ竹がそれを覆っています。
なので、しゃがんでみると進む道がよく分かりました。
もさもさの急登を進むこと10分ちょい、
ありました小篦柄岳山頂。
事前に調べて知ってましたが、展望等はなにも無く、ただの藪に囲まれたところです。
でも、何故かとっても達成感。うれしー。
ピークハントを終え、縦走路に戻りスマン峠へ。
ほどなく到着、ここから下ります。
下ってるのだから下りなのですが、下り具合がえらい下りでした。
最後だけ何故か整備された優し気な木段。
登りに使った人は驚くだろーなー、途中から「なんだこりゃー」って
無事に下山を果たし、ここから高隈山名物、林道歩きが始まります。
今回は、ここスマン峠登山口から大篦柄岳垂桜登山口へと続く大野原林道。
距離にして5kmくらいかなー。
途中、土石流による流木ダイナマイトな箇所が、道を塞ぎます。
しかも何か所かあります、こう言う箇所が。
脇っちょをなんとか通り抜ける事が出来、無事に垂桜登山口へと戻ったのは14時過ぎ。
あの流木箇所はほんとビビります。
5時間ちょっとのおもしろコースでした。